ガソリンの暫定税率廃止が議論される中、
「なぜ軽油は対象外なのか?」という疑問が多く聞かれます。
本記事では、ガソリン税と軽油引取税の仕組みの違い、
政策的な背景、今後の影響をわかりやすく整理して解説します。
🔸ガソリン暫定税率とは何か🔸
ガソリンの暫定税率は、本来の税率に上乗せされた特例税率のことで、
道路整備を目的として導入されました。
2000年代以降も延長され続け、事実上恒久化していると批判されてきた経緯があります。
暫定税率の内訳
ガソリン税には、本則税率と暫定税率が存在し、合わせて1リットルあたり約53.8円が課税されています。他にも消費税がかかるため、ガソリン価格の大きな構成要素となっています。
🔸軽油が対象外とされる理由🔸
「なぜガソリンだけが議論の中心で、軽油は対象外なのか?」
という声は根強くあります。
主な理由は、軽油引取税の性質と政策目的にあります。
① 軽油引取税は暫定税率ではない
軽油引取税はガソリン税とは別の仕組みで設計されており、
そもそも暫定税率が存在しません。
税額は1リットルあたり32.1円で固定されており、
ガソリンのような“上乗せ部分”が議論の対象にならないのです。
② 物流業界への影響が大きい
軽油はトラック・バスなど、物流や公共交通を支える車両で多く使用されます。
税率を変更すると物流コストが大きく変動するため、
政策的にも慎重な扱いが必要とされています。
③ 税収の安定性が重視されている
軽油引取税は自治体の貴重な財源となっており、
道路整備や公共サービスに直接使用されています。
廃止・減税は地方財政に大きな影響を与えるため、
国は慎重にならざるを得ません。
🔸ガソリン暫定税率廃止の背景🔸
ガソリン価格の高騰が続く中、
国民負担を軽減する策として暫定税率廃止の議論が再燃しています。
特に生活車利用者や地方では、
ガソリン価格の上昇が生活に直結するため、関心が高まっています。
エネルギー政策との関連
脱炭素化が進む一方、EV普及は地域差が大きく、ガソリン車が依然多く使用されています。
そのため、税制を見直す際には「公平性」と「地域事情」を両立する必要があります。
🔸今後の税制議論のポイント🔸
① 税収確保と負担軽減のバランス
暫定税率を廃止すれば負担は減りますが、国の道路関連財源は大幅に減少します。
代替財源の確保が重要な論点となります。
② EV時代に合わせた税体系へ
車の燃料が変わる中、ガソリン税や軽油引取税のあり方も見直しが必須です。
走行距離課税や利用者負担型の制度が検討される可能性があります。
③ 地方と都市の負担格差
車が生活必需品の地方では、ガソリン価格変動の影響が大きいため、
地域差に配慮した税制が求められます。
🔸まとめ🔸
ガソリンの暫定税率廃止が注目される一方、軽油が対象外なのは
「そもそも暫定税率が存在しない」「物流業界や地方財政への影響が大きい」
という明確な理由があります。
税制改革は国民生活に直結するテーマであり、今後の議論から目を離せません。
個人的には、EV普及や物流コストなど社会全体の変化に合わせた、
わかりやすく公平な税体系へ進むことを期待しています。


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